『モダン』原田マハ

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ニューヨーク近代美術館MoMA)を舞台にした短編集。『ジヴェルニーの食卓』に続いてもう1作読んでみた。

 

 登場するのはアンドリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」、「鏡の前の少女」、「ゲルニカ」、ルソーの「夢」、「眠れるジプシー女」、モネの「睡蓮」などの名画たち。

学芸員、監視員など美術館で働く人々に焦点を当てて書かれた5短編が収められている。

 

「新しい出口」は、マティスとビカソ、学芸員の友情と別れを描いた作品。表紙がマティスの「ダンス」だったので、もう少しマティスが出てくるかと思ったがそこは残念だった。

また、美術館に併設されたデザインストアのウィンドウに展示されている、日本に関する品についての話「あえてよかった」も印象的だった。

MoMAに勤務したことのある作者ならではの専門的な視点から、MoMAの歴史、所蔵する絵画の魅力を伝える。これを読むとMoMAに行きたくなる、楽しめる作品だった。