『ジヴェルニーの食卓』原田マハ
『楽園のカンヴァス』が面白かったので、絵画をテーマにした作品をもう1作読んでみた。
マティス、ドガ、セザンヌ、モネについての4短編。画家の身近にいる語り手によって、彼らの人生の断片が語られる。
どれもよかったが、晩年のマティスを描く「うつくしい墓」が印象的だった。まあマティスが好きなこともあるけど。
この物語では、ロザリオ礼拝堂(南フランス、ヴァンス)のステンドグラス(生命の樹)と聖ドミニコの絵が出てくる。画集でしか見たことがないけど、ステンドグラスは切り絵を使った花の装飾が美しい。ニースに近いので、いつかニース経由で訪ねたいと思う。物語は豊かな色彩を紡ぐ感じがよく出ている。
全体を通して細部の描写、洗練された表現が快い短編集で楽しめた。