2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の一』高殿円

フォロワーの方のお勧めの本だ。 兵庫県芦屋市の百貨店を舞台に、外商部で働くことになった主人公(鮫島静緒)が、多額のノルマを抱えながら奮闘する姿を描くお仕事小説。 バイトとして洋菓子店で働いていたところを、優秀さを買われて引き抜かれた主人公な…

『スリーピング・マーダー』アガサ・クリスティー

久しぶりにアガサ・クリスティを読んでみた。 ニュージーランドから英国に来た新婚の妻グエンダは、夫と二人で家を探していた。そして一目で気に入ったヴィクトリア朝風の新居になぜか既視感を抱く。初めての家のはずなのに、石段、ドアなどを知っているよう…

『盲目的な恋と友情』辻村深月

この作者の作品を『鍵のない夢を見る』に続いて読んでみた。フォロワーの方に教えてもらった本だ。 「恋」と「友情」の2部構成で、大学の管弦楽団が舞台になっている。冒頭の結婚式の場面から、不穏な空気が漂う。 「恋」では、蘭花とプロの指揮者茂美の恋愛…

『鍵のない夢を見る』辻村深月

積読にあった本で、この作者は初めて。フォロワーの方が読みやすいと言っていて、その通りで楽しめた。もっと早く読むんだった。 ミステリー的な5作の短編連作集。高い文章力、ストリーテラーとしての素晴らしい才能を感じた。直木賞を受賞したのも分かる。 …

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹

先週「村上RADIO」を聴いてたら、ゲストの山中伸弥教授がこの本について話していて、久しぶりに再読してみた。このラジオ番組には他に高橋一生も出ていて、村上作品を朗読していたのだが、とても上手いのに驚いた。 名古屋の高校に通う男女5人-乱れなく調和…