2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『舟を編む』三浦しをん

国語辞典の編集部を舞台に、辞書編纂にまつわる様々な人間模様を描く作品。本屋大賞を受賞したのは記憶にあったが、当時はこの作者をよく知らなかったこともあって、今回初めて読んだ。 まず、雑誌『CLASSY』に連載されていたのには少し驚いた。このファッシ…

『手のひらの京』綿矢りさ

この作品も谷崎潤一郎の『細雪』を下敷きにしている。こちらは三人姉妹だが。上から31歳の綾香、20代半ばの羽依、20代初めの凜。奥沢家の三姉妹は両親と暮らしている。 まず題名がうまい。「手のひらの」という表現は、周りを山で囲まれた盆地のイメージから…

『あの家に暮らす四人の女』三浦しをん

この作者の作品は初めて読んだ。 谷崎潤一郎の『細雪』を下敷きにしている。『細雪』の四人姉妹にちなんだ名前を持つ4人の女性たちが、古い洋館で共同生活をする。洋館の持ち主の鶴代と佐知は親子だが、雪乃と多恵美は訳あってこの家に暮らす。4人の独身女性…

谷崎潤一郎『細雪』

この作品は以前読んだことがあったが、『手のひらの京』(綿矢りさ)、『あの家に暮らす四人の女』(三浦しをん)がこの作品を下敷きにしていて、再読したくなった。 大阪船場の旧家(蒔岡家)の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の人間模様、戦前の関西上流…