『チョコレートコスモス』恩田陸

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蜜蜂と遠雷』がよかったので、もう1作恩田陸を読んだ。この本にしたのはフォロワーの方のお勧めを参考にして。

蜜蜂と遠雷』でも感じたけど、この作者は天才を描くのが上手い。
後半に向かって盛り上がって、2人の女優-東響子、佐々木飛鳥-のオーディション、劇中劇がハイライト。緊張感あふれる描写、疾走感に引き込まれる。

 

欲望という名の電車』を使う2次オーディションも印象的だが、1次オーディションの2人で3役を演じる『空いた窓』が面白かった。ちょっとアイデアを考えてみたのだが、いいのを思いつかなかった。

また前半に登場する『真夏の夜の夢』を書き換えた『ララバイ』は現代の病院が舞台で、妖精パックの媚薬が研究者の薬という設定。この戯曲があれば読んでみたいと思わせる。

 

面白かったので、続編の『ダンデライオン』は中断してるそうだが早く出してほしいと思う。
恩田陸は『私の家では何も起こらない』もあるので、次はこれを読もうかな。