『愛がなんだ』角田光代

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映画の原作を読んでみた。濃密な片想いの女と冷淡な男(テルコとマモル)とその反対の関係の男女(ナカハラと葉子)、そしてマモルが追いかけるすみれ、という5人の物語。

 

作者はインタビューで「好きな人ができたら全開で好きになっちゃって、相手に怖がられて逃げられるパターンばかりだった。」と言っていた。テルコの造形と関係があるのだろうか。

映画ではいくつか印象的なシーンがあった。テルコ(岸井ゆきの)が夜道を歩きながらラップを口ずさむところや、葉子以外の4人が別荘で線香花火をするところなど。原作では違ってたけど、読みながら映画を思い出してた。

 

マモルのような男はいる。テルコはよく分からないけど、TLとか映画の人気をみると共感する女性は割と多いのかと思う。

そして、これはこの作者ならではの小説だと感じた。濃い描写、筆致が映画と共に忘れられない作品だ。